コンサートの曲目紹介✨ 今日はベートーヴェンのピアノソナタ「月光」です。 この「月光」というタイトル、実はベートーヴェン自身がつけたものではありません。 ベートーヴェンがつけた名前は、「幻想曲風ソナタ」です。 「月光」という名前は、ベートーヴェンの死後、詩人で音楽評論家のレルシュタープが、この第1楽章を「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と表現したことから定着したもの。」 なので、ベートーヴェンは月光をイメージしてこの曲を書いたわけではないのです。 ですが、第1楽章が持つ独特な雰囲気や静寂さは、月の光のような神秘的なイメージを起こさせずにはいられません。 そしてこのタイトルがあったからこそ、広く一般に定着して親しまれているのだと思います。 もっとも、今ベートーヴェンが生きていたら「勝手にタイトルをつけるな!」と怒るかもしれませんが笑 私も弾くときに月光はあまりイメージしていません。 何も見えない、何も聞こえないような静寂や暗闇、絶望感のようなものを感じます。 そこから更に悲しみがヒタヒタと広がっていくような、なんとも救いのない曲です。 皆さんはこの曲からどんなイメージが浮かぶでしょうか? 第2楽章はうってかわって軽やかな音楽に変わります。 前の記事で紹介したシューベルトやフォーレのソナタにも出てきた、「スケルツォ楽章」です。 第3楽章は過酷な運命に抵抗するような激しい強さがあります。 第1楽章が「静」ならば第3楽章は「動」。 特に曲の始まりは、右手の上行音型が先へ突き進もうとするのを、左の低音が足を引っ張り、進むことに抵抗しているような、そんな両者の引っ張りあいが、独特な緊張感を生んでいます。 ※お席の状況ですが 若干名様ご案内できます。 プロフィール、レッスン情報はこちら