曲目紹介~フォーレ第2楽章
コンサートの曲目紹介第2弾。
今日はフォーレのヴァイオリンソナタ第2楽章です。
紹介の前に、前回も書いたことをもう一度。
このヴァイオリンソナタは、こうゆうものを表現していますよ、というものが特に決まっていません。
聴く人それぞれが、自由に想像力を働かせながら聴いてほしい、音を純粋に楽しんでほしい、イメージを固定化してほしくない、という作曲家の意図はあると思います。
その上で、私が何を思ってこの曲を弾いているか書きます。
ですが、これはひとつの問題をはらんでいます。
それは、これを読んだ人が、そうとしか聴こえなくなってしまうかもしれない問題です。
できたら、まずは何も情報を入れずに、youtubeなどで音源を聴いてみてください。
フォーレ:ヴァイオリンソナタ第2楽章
共演の早川愛美さんも、私と同じことを考えて演奏しているかもしれないし、全く違うことを考えて演奏しているかもしれない。
聴く皆さんにも、それぞれの感性で受け止めてみてほしいのです。
ここでの紹介は相変わらず、超主観的な紹介です。
なので、ここから先に書いてあることがもし皆さんの自由なイメージの邪魔になると感じたら、読まないでくださいね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第2楽章。
私たちの演奏は、上に添付した動画とはかなり雰囲気を変えて演奏することになると思います。
私は、植物の芽をイメージしています。
この曲は最初は暗く重く始まるのですが、
まだ芽が出る前の植物が、重くて暗い土の下か、もしくは雪の下にいるような感じがします。
上を目指そうとするのですが、寒いし、暗いし、どっちの方向に進めば良いかわからず迷ってしまったり。
でも、ゆっくり、ゆっくり、じわりじわりと芽が開いていきます。
雪をかき分けて出てくると、辺りは一面白銀の世界で、夜だけど月の光と雪で明るく透き通っていて、とても静か。←私の大好きな中間の部分です。
なんだか、小学生の時の国語の教科書に出てきた「ふきのとう」という詩を思い出してしまいました✨
(懐かしいので下に張り付けました!)
それか、桜の木。今は桜の木は枝だけになっていますが、これから花を咲かせるにあたり木の内側ではぐるぐるとエネルギーが回っているかもしれません。
寒いけれど、暗いけれど、これから来る春の光に向かって静かに内側が動いている感じ。
そんなイメージで演奏しています。
今回のコンサートの副題~早春の風にのせて~とも通じる部分があります✨
~~~~~~~~~~~~
ふきのとう
よが あけました。
あさの ひかりを あびて、
竹やぶの 竹の はっぱが、
「さむかったね。」
「うん、さむかったね。」
と ささやいて います。
雪が まだ すこし のこって、
あたりは しんと して います。
どこかで、小さな こえが しました。
「よいしょ、よいしょ。おもたいな。」
竹やぶの そばの ふきのとうです。
雪の 下に あたまを 出して、雪を どけようと、
ふんばって いる ところです。
「よいしょ、よいしょ。そとが 見たいな。」
「ごめんね。」
と、雪が 言いました。
「わたしも、早く とけて
水に なり、とおくへ いって
あそびたいけど。」
と、上を 見上げます。
「竹やぶの かげに なって、
お日さまが あたらない。」
と ざんねんそうです。
「すまない。」
と、竹やぶが 言いました。
「わたしたちも、ゆれて おどりたい。
ゆれて おどれば、雪に 日が あたる。」
と、上を 見上げます。
「でも、はるかぜが まだ こない。
はるかぜが こないと、おどれない。」
と ざんねんそうです。
空の 上で、お日さまが わらいました。
「おや、はるかぜが ねぼうして いるな。
竹やぶも 雪も ふきのとうも、みんな
こまって いるな。」
そこで、南を むいて 言いました。
「おうい、はるかぜ。おきなさい。」
お日さまに おこされて、
はるかぜは、大きな あくび。
それから、せのびして 言いました。
「や、お日さま。や、みんな。おまちどお。」
はるかぜは、むね いっぱいに いきを すい、
ふうっと いきを はきました。
はるかぜに ふかれて、
竹やぶが、ゆれる ゆれる、おどる。
雪が、とける とける、水に なる。
ふきのとうが、ふんばる、せが のびる。
ふかれて、
ゆれて、
とけて、
ふんばって、
もっこり。
ふきのとうが、かおを
出しました。
「こんにちは。」
もう、
すっかり はるです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
プロフィール、レッスン情報はこちら