2回同じプログラムで演奏することの難しさ

2回同じプログラムで本番を迎えることの難しさをこの夏感じたので、ここで共有しておこうと思います。

今回は特に1回目がそこそこ良い形で終えられた場合、です。


まず、音楽を作っていく上で、その曲の世界ではどんな天気なのか、暑いのか寒いのか、朝なのか夜なのか、乾いているのか湿っているのか、一人なのか大勢なのか、など、細かい背景や設定まで考えてみると良いという話は前の記事にも書きましたが、

1回目の本番ではそういったことが新鮮に感じられても、
2回目を迎えるにあたって慣れや飽きが出てしまい、薄らいでしまうことがあります。



それから、これは特に真面目な性格の人の場合かもしれませんが、2回目なので、1回目でできなかったことを克服し、完璧を目指そうとします。

完璧を目指すこと自体は悪いことではないんだけど、イメージや設定が薄らいでいる状態がセットになっているのが落とし穴。


表面的な技術を、力業でどうにかして完璧を目指そうとすると、思っているのとは逆方向に行ってしまいます。


イメージや設定に身を委ねることを忘れて、作為的に良い演奏を「しにいっちゃう」んですね。
その結果、力みが生じて、全体的にぎこちなく、つまらない感じになってしまいます。


この辺りが2回同じプログラムを演奏する上で、私自身がつまずいてしまった部分です。
そして、以下、実際にやった対処法。



そもそも、本番は練習通りになんて行きません。練習の積み重ねは大事だけど、本番はその日その時の一本勝負なので、そこで身体の内側(≒心)が動いていることが大事なんです。
貯金はできません。だから、その日その時を信じきって、その時の空気に、身体に、感覚に、力を抜いて委ねるしかないです。


身を委ねる一番の手助けになるのは、やっぱりイメージや設定。今一度、思い返してみましょう。ただ頭で思うだけではなく、肌感覚として、生々しく想像できるように。


そして実際音だしするときは、1回目の本番の時よりも、むしろ今までで一番新鮮に、身体から湧き出でてくるのを感じて。

湧き出させるのではなく、湧き出てくるんですよ。

少しでも飽きを感じたら、一度距離を置いて、新鮮に湧き出てくる感じ、演奏したくてたまらなくなってくる所まで、待ってみる。

待っても出てこなかったら、本を読んだり良い映画を見たりして、まず身体の内側を動かしてあげる。

そんな本番前に練習しないで、本番で間違えたらどうするの!?っていう声が心の中から聞こえたら、1回本番成功してるんだから大丈夫!と答えてあげてください。
どうしても不安なら楽譜眺めとけば十分。
何より、イメージや設定を肌感覚のレベルで感じられる練習をしておけば十分です。

その上で、1回目より完璧を目指せそうなら目指せば良い。


さじ加減が難しいところですが、
日頃から本番でどう演奏したいかをどれだけクリアにリアルにイメージできるかが大事で、

その演奏のために必要だと思ったことは、「練習を休む」という選択肢も含めて何でもやってみると良いかもしれません。


⭐コンサートの曲目紹介コーナー⭐



こちらで演奏する予定のバッハ作曲G線上のアリア。
ヴァイオリンのG線という弦1本だけで演奏することからこう呼ばれていますが、それはハ長調で演奏する場合のみで、今回ニ長調なので普通に他の弦も使うそうです笑


今回はジャズアレンジバージョンでもお届けします。
実は私、こっそりジャズを習っているので、そこで習った知識(といってもまだまだほんの少しですが)を使って、脳ミソを雑巾のごとく絞って、頑張ってアレンジしてみました。


このジャズアレンジ版は、他の公の機会では今のところ演奏する予定がないので、どうかお聞き逃しなく!



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