小さい手でピアノを弾く

私は手が小さい。




手が小さいからクラシックのピアニストを諦める、なんて話もよく聞くけど…

私はご指導くださった先生たちに恵まれたのか、小さい手であっても良い演奏は十分可能だということを、学生時代からたくさん経験させていただいた。

やり方さえあっていれば必ずできる。それはもう絶対に間違いないことだ、ということはわかっていたから、やめるという選択肢は考えられなくて続けていたわけだけど、

そうはいってもやっぱり、クラシックの分野の中でこの物理的な課題を越えていくのはけっこう大変です。


小さい手だと何が苦労するかって言うと、
オクターブとか和音なんですね。
つまり、手を広げながら弾くとき。
小さいので少し広げるとすぐ突っ張ります。

でも曲が盛り上がるところとか、音量が欲しいところとかって、大体オクターブや和音にして音数を増やしていて、
そうゆうところで余裕でつかめてる人と、なんとかつかめてる人では、音の伸びが全然違ってきちゃう。

結果、音楽に音量の幅が出にくくなり、平坦な音楽になりがちなのです。

でもだからといって無理に音量の幅を出そうとしても、ぴんぴんとつつくような感じになりがち。

クラシックのピアノでもっとも評価されやすいポイントは、私は「安定したダイナミックさ」だと思うのですが、

その点で非常に不利だと思います。
手が小さいから諦めるのも納得。

ただ「安定したダイナミックさ」を手に入れるのは決して不可能なことではなくて、

指の鍵盤との触れ具合だったり、腕全体の角度や力の伝わり具合、身体の軸、はたまた曲に対する強烈なイメージを持つなど、いろいろと工夫してその都度模索しながら、なんとか様になるように作っていく。

それなりにはできるようになるものです。
超大変だけど笑

ほんとにね、ぱーんと簡単に音出ちゃう人、うらやましいです。

その代わり!


手が小さいと小回りがききます!
指を速く回すことならいくらでも!

大きい人は細かい動きのときに指がもつれそうになるらしい。

それでもやっぱり私はがんって出ちゃう方がうらやましいけど😒


なんでこの話になったかというと、今練習中のショパンのソナタ3番4楽章のラストが、手が小さい人間にとっては本当に苦行なんです😭
以前弾いたときもきつかったけど、やっぱり今も変わらずきつかった。当たり前か。

まあ、いろいろ大変なことも多いですが、こうやって諦めないで試行錯誤し続けていることが、良い演奏にちゃんと繋がっているだけでなく、人に教えるときにものすごく役に立っています。


ソナタのラスト、頑張ります…



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