身体体験を言葉にすること

私の卒業した楽理科は、音楽を言葉で言い表し理屈で説明する学科です。

音楽を、と言っても色々で、音楽史、音楽理論、音楽美学、など、音楽を見るにも色々な観点があるのです。

で、楽理科失格なこと言ってしまうのですが…
正直在学中、音楽を言葉で説明するって、どうなの?
って思っていました。


音楽史や音楽理論とかならわかるのですが、

私が昔から興味があったのは、
身体に関すること。
微妙な身体感覚や、身体体験こそが音楽の姿だと思っていたから。
無理やりこじつければ音楽美学の範疇にはいりそうだけど、でもちょっと違うような。

これは言葉で的確に説明するのはなかなか難しいのです。
そんな難しい言葉で延々と説明するものではなくて、
でも「こんな感じ」じゃあまりにも言葉としてありきたりすぎて。


実際に感じた身体感覚と、それを表現した言葉とでは、もう別物になってしまうのです。

例えば
「トマトがおいしかった」という言葉は、
実際に食べたときのみずみずしさ、酸味、甘味の体験そのものを、どれだけ表すだろう?

身体感覚は、感じた人だけのもの。
どんなに言葉を尽くしても、それそのものは表現できない。

だから、音楽を言葉で説明するってどうなの?
というわけです。


でも今は、そこまで否定的ではありません。

あえてそれをやってみる、というのもいいもんだな、と思います。
なにより自分にとって、曖昧だった身体体験のイメージが具体的になるから。

そして、例えその体験そのものを表現することはできなくても、ゼロではないということ。100にもならないけどね。もしかしたら伝わる人には伝わるかもしれないのです。

微妙な身体体験も、言葉のチョイスによってはきっと100に近い表現もできるかもしれません。




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