テンポと間の取り方②

前回の続きです。


演奏するときに間を取る、といって一番最初に思いつくのは、
がっつり音楽が止まって、しんとなる時間をどれくらい取るか、みたいなことでしょうか。





こういった場合の間の取り方ももちろん大事なのですが、

もっと細かいレベルでいうと、なにもここまでの切れ目でなくても、
ひとつのフレーズが終わった時にどれくらい間を取るか、ということもかなり曲全体の雰囲気に影響します。



例えばこんな感じ。





全く間を取らなかったら。




ここだけ切り取っても分かりにくいと思いますが、曲全体を通したときにこの間は結構なニュアンスの差を生み出します。




更に細かく見ていくと、フレーズの中でも間の違いがあります。



間を意識した場合




間を取らず均一に弾いた場合





なんとなく違いが分かるでしょうか?後の方が少しさらっと聞こえると思います。



この2つの動画でヒントになるのが「スラー」





スラーというのはその音を繋げて弾きましょう、という意味で習ったと思いますが、
それはすなわち音のまとまりを表します。



そして大事なのは、
「スラーは見た目通り、直線でなく曲線」ということ。


曲線を通るので、直線よりも少し時間がかかるんです。


つまり、スラーのかかったフレーズは少し間が伸びるんですね。


逆に刻むような音型の場合は一切のずれなく拍通りに弾きます。


2つめの動画は均一に進んだのに対して、最初の動画はスラーのカーブを感じて進んだので、少し立体的になりました。



このように、拍きっちり進んだり、少し伸びてみたり、音楽の勢いにしたがって加速したり、緩んだり止まったり…という動きを、ちょっとした間の取り方で表現していきます。


そんな間の取り方のコツは、
曲によって、箇所によって千差万別。


奥が深すぎて、とてもここに全てのパターンを書ききることはできません。


でも、これこそ音楽を楽しむ最大ポイントのひとつといって良いと思います😄





youtubeページはこちら
プロフィール、レッスン情報はこちら

このブログの人気の投稿

ブログリニューアル

小さい手でピアノを弾く

岩崎結 プロフィール・レッスン情報

カルメンによる華麗な幻想曲~7月8日コンサートから

7月8日コンサート・共演者紹介

ショパンと第9

合唱ピアニストのお仕事

ピアノを弾くときの小指の存在

ハープ届きました!

あけましておめでとうございます🎍